第146章 男が目を伏せて彼女にキスする……

翌日は週末。

秋田結が目を開けると、すでに午前10時半だった。

隣には誰もいなかった。

上野卓夫がいつベッドから出たのかわからない。

彼女は痛む体を少し動かし、昨夜の上野卓夫のろくでもない行為を思い出した。

思わず「このろくでなし!」と罵った。

昨夜。

おそらく秋田鉄平が再三保証したからだろう、彼は本当に上野卓夫と契約を結んでいたのだと。

海外での生活は良好で、上野卓夫に軟禁されているわけではないという理由から。

秋田結はようやく安心した。

それに上野卓夫は情熱的な男だった。

男女の関係において、秋田結はしばしば彼によって理性を失ってしまう。

一筋の冷静さが彼女の消えかけた理性を取り戻させ、彼女は表情を変えて抵抗した。「上野さん」

「ん?」

男は目を伏せて彼女にキスした。