第145章 いつも誘惑して…

「上野卓夫、ここは車の中よ」

男の手が彼女の服の中に入り、ゆっくりと揉みしだいた時、秋田結は急に我に返り、力強く彼を押しのけた。

上野卓夫は彼女を放し、彼女を求める思いを抑えながら、かすれた声で言った。「車の中だって分かってる。でもお前があまりにも魅惑的だからだ。小悪魔みたいに、いつも俺を誘惑してくる」

「……」

秋田結は彼のふしだらな大きな手を払いのけた。

息を整えながら言った。「私を冤罪にしないで」

上野卓夫は低く笑った。「冤罪じゃない、事実だよ」

「……」

秋田結が身を翻して立ち去ろうとするのを見て、彼は小声で尋ねた。「秋田鉄平と電話したくない?」

秋田結が振り返ると、上野卓夫は彼女を誘った。「キスしてくれたら、後で秋田鉄平と電話させてあげる」

「……」

秋田結は気骨を見せて車から降りた。