病院。
秋田結が病室に入ると、川島おばさんが上野お婆さんに朝食を食べさせようとしていた。
上野お婆さんは手を振りながら、「食べない」と叫んでいた。
そして秋田結を探していた。
「おばあちゃん、来たよ」
彼女の声を聞いて、上野お婆さんは顔を上げて彼女を見た。
上げた腕が川島おばさんの持っていたお粥を倒してしまい、お粥の半分が秋田結と川島おばさんにかかり、残りの半分は茶碗と一緒に床に落ちた。
お婆さんは痛みを感じて手を口元に持っていき、「痛い、痛い」と言った。
秋田結は自分の服についたお粥のことは気にせず、お婆さんの手を取って確認した。「おばあちゃん、火傷してないか見せて」
川島おばさんも驚いていた。
しばらくして、やっと反応して説明した。「秋田さん、このお粥は熱くないんです」