上野卓夫の顔色はますます暗くなった。
個室内に火薬の匂いが広がっていくのが見えた。
天満健司は慌てて前に出て上野卓夫を支え、「社長、秋田さんはあなたを家に連れ戻しに来たんです。帰りましょう」
上野卓夫は天満健司を一瞥し、視線を秋田結に向けた。
セクシーな唇の端に嘲笑を浮かべ、酔った声で言った。「君は俺を家に連れ戻しに来たのか?」
秋田結、「違うわ」
天満健司、「……」
上野卓夫は顔色を暗くして天満健司の手を振り払い、ソファに倒れ込もうとした。
秋田結はそれを見て眉をひそめ、天満健司に声をかけた。「天満健司、彼を支えて」
上野卓夫は天満健司に支えられ、再び振り払おうとしたとき、秋田結が彼に向かって怒鳴った。「上野卓夫、もう一度天満健司を振り払ったら、ここで酔い潰れて死んでいいわ。帰らなくていい」