第255章 三年後

秋田結は目を伏せ、別れの寂しさを隠した。

明るく振る舞って言った、「ビデオ通話できるじゃない」

「でも私、結ちゃんがいなくなるのが寂しいよ」

草場盟子は秋田結を強く抱きしめ、名残惜しそうに彼女を見つめた。「結ちゃん、あなたがいなくなったら、私たちの青雲音はどうなるの?」

「普通に営業するわ」

——

秋田結と雲井洋治たちは一週間かけて。

帝都でレンタルしたレコーディングスタジオで『一目萬年』の音声ドラマを録り終えた。

途中で数日間録音を中断したこともあり。

最後のエピソードを録り終えた時、秋田結は安藤凛太郎からの電話を受けた。

今日の午後、帝都に来るから、夜一緒に食事をしようと言われた。

夜、帝都のあるホテルの個室で。

秋田結、雲井洋治、草場盟子の三人がホテルに到着すると、個室には安藤凛太郎の他に湯川大助もいた。