一週間後
葉都病院。
天満健司がエレベーターから出ると、上野卓夫が廊下で電話を受けているのが見えた。
三井忠誠の声が携帯電話から聞こえてきた。「卓夫、今日は美咲ちゃんと明彦の婚約パーティーだから、忘れないでね。」
「わかってる。後で天満健司に祝い品を届けさせる。」
「君は来ないの?」
三井忠誠は残念そうに言った。「卓夫、君と明彦の仲が良くないのは知ってるけど、彼は今美咲ちゃんと一緒になったし、ビジネス上でもまだ完全に関係が切れたわけじゃないし...」
「後で考えるよ。時間があれば行くよ。」
何かを思い出したように、上野卓夫は目を細めて考えを変えた。
電話を切ると、彼の視線は天満健司の手の中の保温ボックスに移り、淡々と尋ねた。「伊藤明史と三井美咲のために特注した贈り物は準備できたか?」