第257章 帰国(1)

天満健司が草場盟子に送った写真は、午後に病院に向かう途中で撮ったものでした。

そして夜、上野お婆さんの手術が終わり、病室に戻される時に彼がこっそり撮ったものでした。

彼は賭けていました。秋田結が上野お婆さんの状態を知れば、少なくとも一度は会いに来るだろうと。

三年前のように。

秋田結は帝都から葉都に戻り、ただ上野お婆さんに会うためだけに。

天満健司が病院に戻ると、上野卓夫が休憩エリアでタバコを吸っているのが見えました。

煙の渦が彫刻のように整った彼の顔立ちを朧げにし、彼全体が孤独に包まれ、何を考えているのか分かりませんでした。

目を伏せていたため、天満健司が近づいてきて初めて、上野卓夫はまぶたを上げ、彼を見ました。

「どこに行っていた?」

視線が天満健司の顔に一秒留まり、上野卓夫は冷たく尋ねました。