第260章 病院、再会(2)

電話が二回鳴ったが、誰も出なかった。

天満健司は焦って病室の入り口の方を振り返り、独り言のように言った。「社長、早く電話に出てください。秋田さんがやっと戻ってきてお婆さんを見舞いに来たんです。もし見舞いが終わってまた行ってしまったら、どうしましょう。」

さっき天満健司は秋田結に今回の帰国が何日間なのか、それとももう帰らないのか聞く勇気がなかった。

あるいは、すぐにまた行ってしまうのか。

彼は今、ただ社長が早く電話に出てくれることを願っていた。

早く病院に戻ってきてほしかった。

蘭夜グランドホテル。

三井美咲と伊藤明史は先に山に行き、三井の母を参拝した。

その後でホテルに到着した。

時間がかかってしまい、式は延期され、宴会の開始時間も遅れた。

婚約式とはいえ、これは三井・藤田両家の名門同士の結婚を意味していた。