第286章 ビデオ、救出

「俺が死んだら、お前もC国から生きて出られないぞ」

黒狼は痛みで冷や汗を流し、顔を歪めながら上野卓夫を脅した。

彼はこの男の残忍さを見くびっていた。

三年前、彼は上野卓夫と取引をしたことがあった。当時、上野卓夫は彼が持っていたネックレスを買いたがっていた。

あの時の彼は、こんなに冷酷な様子を見せていなかった。

上野卓夫は冷ややかに笑い、彼のもう一方の肩にナイフを突き刺した……

「話すか?」

「……」

黒狼は痛みで目の前が真っ暗になりそうだった。

口を開いたが、言葉が出なかった。

空気中には自分の血の臭いが充満し、ナイフを刺しては抜く上野卓夫の動きは、まるで豆腐を切るようだった。

彼の目には、一片の温もりも見えなかった。

その冷たさに心が震えた。

「上野卓夫、お前を絶対に許さない」