第300章 上野さん、私は前に座ってもいいですか

メッセージを読み終えた秋田結は「わかった」と返信した。

朝食の時、秋田結は草場母からの電話を受け、草場盟子が目を覚ましたと言われた。

電話を切ると、すぐに上野卓夫からのメッセージが届いた。「病院から電話があったところだ。草場盟子が目を覚ましたよ。朝食を食べたら下りてきてください。私は下で待っています。」

秋田結は彼の手配を断ろうとして、雲井洋治が彼女たちを迎えに来ると言おうとした。

しかし、一文字打ち込んだだけで、知心の幼い声が響いた。「ママ、パパはどうして私たちと一緒に朝ごはん食べないの？パパは知心のこと嫌いになったの？」

秋田結の動きが止まった。

知心の潤んだ大きな瞳を見て、彼女は笑顔を浮かべた。「パパは下で待ってるのよ。早くお粥を食べ終えたら、下に行ってパパに会えるわ。」