第306章 完全に決着をつける

「秋田結、どうしてもそうしたいのか？」

上野卓夫は冷たく秋田結を見つめ、しばらくして、怒りを抑えながら尋ねた。

秋田結は彼を皮肉っぽく見て、「私がどうしたって言うの？あなたが言ったじゃない、三井美咲は私を傷つけていないのに、私が伊藤明史に近づいて彼女を傷つけようとしていると。上野卓夫、三井家があなたに恩があるのはあなたの問題よ。三井姓の人を全員守りたいのもあなたの勝手。でも、それらのことは私、秋田結とは何の関係もない。あの頃私を守ってくれたのは、兄の秋田鉄平だけ。私には彼しか身内がいないの」

彼女の唯一の身内が行方不明で、彼女が心配することもできず、何か情報を知っているかもしれない伊藤明史から少しでも情報を聞き出すこともできないというのか？

それがどういう道理だというのだろう。