第307章 別れ

朝、草場明美は目を開け、彼女のベッドの前にうずくまっている秋田結を見た。

彼女の顔に驚きの色が走ったが、まだ口を開く前に、体がわずかに動いただけで、秋田結は頭を上げた。

「結ちゃん、どうしてここにいるの?」

昨夜、秋田結が来たとき、草場盟子はすでに眠っていた。

知らなかったのだ。

秋田結は微笑んで言った、「草場おばさまが何日も付き添ってくださったから、昨夜は家に帰って休んでもらったの」

「じゃあ知恵ちゃんと知心はどうするの?」

草場盟子は眉をひそめて尋ねた。

秋田結の瞳が一瞬揺れたが、平静を装って、「彼らは上野邸にいるわ」

「結ちゃん、知恵ちゃんと知心はあなたが育ててきたのよ。それに彼らはまだ2歳そこそこ、あなたから離れられるわけないじゃない。だめよ、今すぐ帰って。あなたがいないと泣いちゃうわよ」