第310章 上野お婆さんが目覚めた

青雲音。

秋田結が帰国後、これが初めての訪問だった。

彼女が会ったことのない新しい同僚が三人いた。

雲井洋治が彼女を紹介し終えると、その三人がそれぞれ自己紹介をした。

小川雪由利の番になったとき、秋田結の第六感が彼女に告げた、このアナウンサーには何か偽りがあると。

オーディションが終わった後。

秋田結は一階のオフィスに戻った。

ちょうど小川雪由利が別のアナウンサーに自慢しているのが聞こえた。「秋田結姉さんがなぜアクセサリーをつけないのか分からないわ。全身素朴で出稼ぎ女のよう。私たち女の子は自分に優しくするべきよ、ジュエリーやブレスレットは欠かせないわ。このチェーンだって高くないわ、たった50万円だけよ。今度、あなたをそのショップに連れて行くわ」

「秋田結姉さんが出稼ぎ女みたいだって?」