第319章 全員が証明できる、犯人は秋田結

三井美咲はエレベーターの前に歩いていくと、ちょうどエレベーターのドアが開いた。

エレベーターから白いセーターとジーンズを着た小さな女の子が出てきた。

彼女を見ると、目に喜びの光が輝き、甲高い声で叫んだ。「秋田おばさん、今来たの?」

小さな女の子はそう言いながら、手を伸ばして三井美咲を引っ張ろうとした。

三井美咲は本能的に一歩後ろに下がり、小さな女の子を避けた。

小さな女の子の目に一瞬の戸惑いが浮かび、また尋ねた。「秋田おばさん、知心は一緒に病院に来なかったの?」

「うん、来てないわ。」

「じゃあ、秋田おばさんは知心のお婆さんに会いに行くの?」

「うん。」

「私も一緒に行ってもいい?ママが言ってたよ、上野おじさんは私の命の恩人だって。」

この小さな女の子は、藤原路子だった。