「わかった。」
彼は代金を払い、小川雪由利の手を引いてカフェを出た。
小川雪由利のアパートは賃貸だった。
葉都のような都市で、しかも一等地では、彼女には到底家を買う余裕がなかった。
ここを借りることができたのも、三井愛とのコネができてからやっと可能になったことだった。
部屋に入るなり、彼女は渡辺和己の首に腕を回し、積極的にキスを求めた。
火がついた乾いた薪のように。
渡辺和己も血気盛んな年頃で、彼女を拒む理由などどこにもなかった。
激しい息遣いと床に散らばった衣服とともに...小川雪由利と渡辺和己は彼女の寝室のシングルベッドに倒れ込んだ。
彼が彼女の上に覆いかぶさり、大きな手で彼女の腰をつかみながら、耳元で荒い息を吐きながら言った。「雪由利、僕は責任を取るよ」
——
三井愛が小川雪由利に渡した薬は、飲んですぐに効果が出るものではなかった。