青雲音。
秋田結は小川雪由利が雲井洋治に送ったメッセージを見た。
彼女の退職を承諾した。
彼女と雲井洋治がペアを組んで、新しいドラマを録音することになった。
正式な録音が始まると、秋田結の毎日はスケジュールがびっしりと埋まった。
自宅、病院、スタジオの間を行き来する日々。
あっという間に、一週間が過ぎた。
金曜日の午後、草場盟子は秋田結に退院したいと告げた。
「結ちゃん、ここにいるともう退屈で死にそう。医者も言ってたわ、リハビリさえ怠らなければ退院してもいいって。」
病床で、草場盟子は秋田結の手を揺さぶりながら、草場母を説得してくれるよう頼んだ。
秋田結は目を伏せ、彼女の足に視線を走らせた。
確約せずに言った。「草場おばさまに話してみるけど、退院を許可するかどうかは保証できないわよ。」