第342章 恋愛、釣り合う家柄

秋田結は上野卓夫と湯川大助の二人に見られながら、平然と「気をつけて行ってね」と言った。

そして、ドアを閉めようとした。

湯川大助は眉を上げた。

秋田結がドアを閉める前に、上野卓夫が二歩前に出て、躊躇なく腕をドアの隙間に入れるのを見た。

しかも、怪我をしたその腕を。

秋田結は罵りたかった。

結局、我慢した。

見物して事を大きくする湯川大助を睨みつけ、一歩下がって上野卓夫を部屋に入れた。

上野卓夫はリビングに入ると、振り返ってまだエレベーター前に立ち、去らない湯川大助に言った。

無関心そうに「湯川様、運転には気をつけて。夜は昼ほど安全ではないから」

湯川大助「……」

彼が上野卓夫に返事をする前に、上野はドアを閉めた。

知恵ちゃんと知心は湯川大助が買ってきたおもちゃを研究していた。