第346章 曖昧不清

秋田結は三井康隆の言葉を聞いて、なぜか可笑しく思えた。

彼女は三井愛が前に言っていたことを思い出した。三井康隆は彼女の実の父親ではないと。

彼女の母は結婚中に他の男性と不倫し、彼女の父親は別にいるのだと。

三井康隆はかつて三井愛にはとても優しかった。

今の彼女や三井美咲に対する態度とは、全く違っていた。

この間には何か変なところがある。

でも、どう繋がっているのか、一体何がおかしいのかわからない。

「だから、その5パーセントの株は、美咲のために要求したの?」

「もちろんだ」

三井康隆は冷たく鼻を鳴らした。

そして言った。「伊藤明史のやつは美咲ちゃんと婚約したばかりなのに別れようとしている。私の三井康隆の娘が誰にも求められないとでも思っているのか。お前に一途な彼の気持ちを考えなければ、こんな風に許すことはなかっただろう」