第406章 彼女は結ちゃんではなく、三井美咲だ_2

三井美咲はトイレにいる間に、上野卓夫にメッセージを返信した。

「私はもう病院に着いています。」

上の階。

木村峰はエレベーターホールに来た。

ここは角になっているので、彼はトイレの方向を一瞥した。

誰もいない。

左側は非常階段。

そこにも誰もおらず、階段は非常に静かだった。

先ほど上野卓夫に聞かれたことを思い出し。

木村峰はためらいながら、秋田結に電話をかけた。

電話は二回鳴って出られた。

「秋田結」の声が聞こえた。「もしもし。」

淡々とした声だったが。

木村峰はそれを聞いて、少し安心し、すぐに尋ねた。「秋田さん、ご主人様があなたが病院に来たと言っていましたが、もう着きましたか?」

「はい、エレベーターを待っています。」

三井美咲は上野卓夫からの電話には出る勇気がなかったが、他の人からの電話には出られないわけではなかった