三井美咲はトイレにいる間に、上野卓夫にメッセージを返信した。
「私はもう病院に着いています。」
上の階。
木村峰はエレベーターホールに来た。
ここは角になっているので、彼はトイレの方向を一瞥した。
誰もいない。
左側は非常階段。
そこにも誰もおらず、階段は非常に静かだった。
先ほど上野卓夫に聞かれたことを思い出し。
木村峰はためらいながら、秋田結に電話をかけた。
電話は二回鳴って出られた。
「秋田結」の声が聞こえた。「もしもし。」
淡々とした声だったが。
木村峰はそれを聞いて、少し安心し、すぐに尋ねた。「秋田さん、ご主人様があなたが病院に来たと言っていましたが、もう着きましたか?」
「はい、エレベーターを待っています。」
三井美咲は上野卓夫からの電話には出る勇気がなかったが、他の人からの電話には出られないわけではなかった