第401章 否定は、彼ではないことを意味しない

「結ちゃん、何が食べたい?好きなものを注文して」

レストランに入ると、三井忠誠と秋田結は窓際の席に座った。

ウェイターからメニューを受け取ると、彼は秋田結の前に置いた。

秋田結は彼の疲れた顔から視線を外し、うつむいて適当に料理を3品とスープ1つ、ご飯を2人分注文した。

ウェイターが去った後、彼女は淡々と言った。「ネットのニュースを見たわ」

三井忠誠は水を飲む動作を止め、彼女を見上げた。

秋田結の表情は水のように澄んでいた。

しかし彼は気まずそうに視線をそらした。「ああ、会社の製品に問題があって、この数日で廃棄することになる」

「未明の検索ランキング、私も見たわ」

「……」

三井忠誠はさらに自責の念に駆られた。「結ちゃん、ごめん。あの時、私たちの母はあんな悲惨な死に方をした。なのに私は……」