中野は病室を出た。
湯川大助は二歩前に進んで病床の前に立った。
秋田結も彼に続いて歩いていった。
「これが、あなたの叔父さん?」
「うん。」
「若いわね、それに、ハンサムね。」
秋田結の顔に薄い笑みが浮かび、まるで熟睡しているかのような病床の男性を眺めた。
おそらく湯川大助と彼に少し似ているせいだろう。
病床にいる男性に、どこか親しみを感じた。
彼はそこに横たわり、目を開けることも動くこともなかったが。
しかし、なぜか親近感を覚えた。
秋田結は思わず何度も彼を見つめた。
湯川大助は冗談めかして尋ねた、「結ちゃん、僕の叔父さんを見て、さっき話した彼の若い頃の恋愛話をもっと信じるようになった?」
秋田結の目に笑みが広がった、「あなたの演技派俳優の座が危うくなりそうね。」