第416章 すべての抵抗と葛藤が、致命的な誘惑となった_3

上野卓夫は誰がおごるかなど気にせず、さっぱりと「いいよ」と答えた。

少し間を置いて、声のトーンを落として、「もう一つ、湯川様に聞きたいことがある」

「上野社長、昨日のあの女たちが誰の指示を受けていたか知りたいのですね?」

賢い人と話すのは、心地よい。

余計な言葉を費やす必要がない。

上野卓夫、「湯川様が何か手がかりを見つけたら、教えていただけると助かります」

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秋田結は、取引先の会社で伊藤明史に会うとは思っていなかった。

「結ちゃん、お昼一緒に食べない?」

用事が終わった。

彼女が帰ろうとしたとき、伊藤明史に止められた。

彼の長身は壁のように前に立ちはだかっていた。

秋田結の表情はたちまち曇った、「?」

彼女の不機嫌さを見て、伊藤明史は我慢強く説明した、「この前、僕に食事をおごると言ったじゃないか、結ちゃん、忘れたの?」