第419章 共倒れ?

今、冬の季節である。

深夜の病院の外、冷たい風が吹き荒れている。

秋田結と上野卓夫以外、誰もいない。

そして三井康隆は上野卓夫が秋田結から手を離し、車を開けに行った瞬間を狙って突っ込んできた。

秋田結は全く無防備で、逃げ場も退く場所もなかった。

眩しいライトに照らされて目を開けることができない。

秋田結がここで死ぬと思った瞬間。

横から、突然強い力で彼女が引っ張られた。

彼女は男性の腕の中に倒れ込んだ。

男性の馴染みのある心配そうな声が耳元に落ちた。「結ちゃん。」

上野卓夫が彼女を救ったのだ。

しかし。

彼のこの救出行為は、自分を危機に陥れることになった。

三井康隆の車が、彼ら二人に向かって突っ込んできた。

「結ちゃん、先に車に行って。」

上野卓夫は秋田結を押しのけた。