第418章 キスするのは君か私か…(六千字)_2

上野卓夫の眉が少し寄り、「用事があるんだ。これから出かけるところだ」と言った。

言葉が一瞬途切れた。

彼の目が彼女の魅力的な小さな唇を見つめた。

かすれた声で尋ねた。「君が僕にキスする?それとも僕がキスする?」

秋田結、「...」

頭がおかしいの?

「君が恥ずかしいなら、僕が損をするよ」

上野卓夫は図々しく言い放った。

長い指で彼女の顎を持ち上げ、身を屈めて彼女の小さな唇にキスをした...

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帝都郊外、別荘の中。

三井康隆は少し腰を曲げ、床から天井まである窓の前に立つ男に卑屈に話しかけていた。

その男は、以前葉都を訪れた白井健次だった。

「このまま排除するわけにはいかない」

白井健次の声は冷たかった。

目からは冷酷な光が放たれていた。

三井康隆は腰を低くし、目には不満が満ちていた。「しかし、秋田結は今、伊藤家と上野家の間で揺れています。いつか葉都は彼女の天下になるでしょう」