第422章 もし邪魔されなかったら、あなたは……

上野卓夫は真面目な顔で言った。「彼らに言い聞かせなさい。継父というのは、みんな悪いものだから、要らないって」

「実の父親だって、悪い人はたくさんいるわよ」

「それは他人の父親の話だ。知恵ちゃんと知心の実の父親は絶対にそんな人間ではない」

「自分に都合のいいことばかり言って、本当に図々しいわね」

「結ちゃん、僕がどんな人間か、君が一番よく知っているだろう?」

「...」

厚かましい!

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葉都、空港。

秋田結は、知恵ちゃんと知心が空港まで迎えに来るとは思っていなかった。

VIP通路から出てきた時、最初は人混みの中の二人の可愛い子供たちに気づかなかった。

知心の柔らかく甘い声で「ママ、ママ」と呼ぶのを聞いて、

やっとその方向を見た。

知心が藤原美咲に手を引かれているのが見えた。

小さな手を精一杯振っていた。