第421章 結ちゃん、愛してる(追加更新四千字)_3

彼の能力は、疑う余地がない。

湯川大助は口元を笑みで歪めた。

その笑顔はあまり真実味がなく、声さえも冷淡だった。

「大したことではありません、結ちゃんは私の友人です。」

伊藤旭昇の言葉は率直だった。

彼は上野卓夫の深い淵のような目を見つめ、続けた。「結ちゃんが帝都に来たのは、私にも一部責任があります。」

「...」

上野卓夫は目を細めた。

何も言わなかった。

湯川大助は独り言のようでもあり、説明のようでもあった。

「彼女は中野教授にDNA比較をお願いしたいと言っていました。ちょうど、中野教授も結ちゃんの熱心なファンで、彼女に一度会いたがっていたんです。」

だから、彼は結ちゃんに自分で来るように言ったのだ。

秋田結は本当に来た。

一部の理由は、出張の仕事のためだったが。

「三井康隆が帝都で私の招いた客に手を出すなら、彼は湯川大助の敵だ。」