彼と自ら愛し合うことを。
しかし、彼女の唇に触れるたびに、彼は彼女の肌の隅々までキスしたくなった。
彼女の体に触れると、彼の誇りとする自制心は消え去ってしまう。
ただ激しく彼女を愛したい。
彼女を求めたい。
「...」
秋田結の抗議の言葉は彼の口に飲み込まれた。
彼女が彼の誘惑に屈しそうになった時。
突然、ドアの外からノックの音が聞こえた。
そして、知心の幼い声が、「ママ、ドア開けて。」
「上野卓夫。」
秋田結は急に我に返った。
上野卓夫を強く押しのけた。
上野卓夫は名残惜しそうに彼女を放し、深い瞳には、まだ炎が燃えていた。
「...」
「ママ、ママ。」
ドアの外で、知心はまだ呼んでいた。
秋田結は急いで返事をした。
そして彼に乱された寝間着を直し、急いでドアを開けに行った。
「ママ、今ママがいなくなる夢を見たの。」