第434章 "秋田結"の積極性

三井美咲は二人に先に外で待つように言った。

そして川島おばさんに手伝ってもらい、秋田結の上着を脱がせて自分が着た。

さらに秋田結の顔を使って携帯のロックを解除し、パスワードを変更した。

これらをすべて終えると、三井美咲は鏡を見て自分の姿を確認した。外見上は、彼女と秋田結に違いはなかった。

「川島おばさん、このままあなたと一緒に帰っても、彼らは私が姉じゃないって気づくかしら?」

三井美咲は自分に自信があった。上野卓夫がいなければ、他の人は騙せるはずだ。

伊藤明史も含めて。

青雲音の草場盟子や雲井洋治たちについては、接触するつもりはなかった。

彼女は二日間の休暇を取るつもりだった。

伊藤明史の計画によれば、三井美咲は確信していた。伊藤明史が彼女に秋田結のふりをさせるなら、必ず本物の秋田結を連れ去るだろう。