040 片桐陽向の愛の目覚め

ショーの舞台裏は混沌としていて、デザイナーの夏目清美はモデルの登場順序を確認していた。彼女たちは午後にすでに何度かランウェイのリハーサルを行っていた。

一度目は不慣れでも二度目には慣れるもので、さらに番号が振られていたので、呼ばれた人は入り口で待機するだけだった。

白井沙羅が舞台裏に清美を訪ねてきた。夏目清美は白井沙羅の海外の同校の先輩で、沙羅より数学年上だった。帰国後、縁あってファッション界の新鋭デザイナーとなっていた。

清美はピンクのチューリップスカートを着て、忙しくて沙羅をもてなす暇がなかったので、彼女に自由に見て回るよう言い、ショーが終わったら改めて謝罪すると伝えた。

白井沙羅は先輩が今日とても美しく魅力的なのを見て、内心嫉妬していた。彼女が本当に忙しくて話す時間がないのを見て、彼女は側で待つことにした。