高級クラブで、久保海人はシングルソファに座り、キャミソールとミニスカートを着た女性が彼の横に寄り添い、熱心に肩や背中をマッサージしていた。
一方、数人の中年男性の周りには、それぞれ2、3人の女性が仕えていた。
ここは東京最大の歓楽街で、膝の上に座る艶やかな美女たち、抱きしめる柔らかな肌の温もり、どんな男でも頭がくらくらするほどだった。
この数人は信用組合プロジェクトの出資者たちで、購入できる株式は多くないが、もし彼らの持ち分を買い取り、他の人たちにも手を回せば、久保家が信用組合の最大株主になることは間違いなかった。
久保海人は頭の中で計算を巡らせながら、商売の古狐たちと表面上の付き合いを続けていた。
食事も終わり、話もほぼまとまったところで、久保海人は電話を受けた後、席を立った。
「皆さん、上の階に部屋を用意させておきました。ごゆっくりお楽しみください。私は用事があるので、先に失礼します」
数人の中年男性たちは、抱きついている女性たちに欲情し、久保海人が早く立ち去ることを望んでいた。
彼が去れば、彼らは部屋に行って「用事」ができるのだから。
久保海人はその女性たちに視線を送り、目配せをして、ドアを開けて個室を出た。
廊下は薄暗く、妖艶な雰囲気の中、艶やかな女性が壁に寄りかかって彼を待っていた。
久保海人は彼女に近づき、別の個室に入った。
部屋の中で、久保海人はタバコに火をつけ、ゆっくりと煙を吐き出しながら尋ねた。「どうだった?」
「安心してください。私が教育した子たちですから、きっとうまくやってくれますよ」
久保海人は目を細めた。「この件は絶対に失敗は許されない。どんな手を使ってでも、彼らに契約書にサインさせろ」
「私の仕事を信用してくれないの?」女性は彼に寄り添い、しなやかな体を久保海人に押し付け、指先で彼の胸元を撫でた。「あなた、随分と私のところに来なくなったわね。あの女たちであなたは満足できるの?」
久保海人はいらだたしげに彼女を押しのけ、窓際に歩いていった。「真面目な話をしているんだ。欲求不満なら外の男たちを当たれ」
女性は怒るどころか、色っぽく微笑んだ。「久保若旦那、ご機嫌が悪そうね。どうしたの?あなたの奥様のことで?」