072 心疼は愛情ではない

茶室は一時静まり返り、しばらくして、江川源がようやく口を開いた。「同情は愛情じゃない。それに、隊長はそんなものを必要としていない」

「でも……」

江川淮は入隊以来ずっと片桐陽向の側にいた。片桐陽向がどんな人間か、彼以上に知っている者はいなかった。

彼はあんなにも冷たく、あんなにも悲しみに満ちていて、まるで高みから衆生を見下ろす神のようだった。

しかし彼は知っていた。実際、彼もただの人間で、愛されることを渇望していることを。

「江川淮、余計なことはするな。隊長の人生に干渉するな」江川源は彼の言葉を遮り、厳しい目で彼を見た。

彼らは片桐陽向の左右の腕であり、最も信頼される人間だった。だからこそ、彼らの言動は勝手気ままであってはならなかった。

江川淮は江川源を睨みつけた。