この瞬間、片桐陽向の肌は黒いホームウェアに映えて、まるで光を放っているようだった。
森川萤子はちらりと見ただけで、熱さに目を逸らし、恥ずかしそうに言った。「光が暗すぎて、よく見えないわ。」
片桐陽向も明かりをつけようとはしなかった。おそらく彼は薄暗い光の中で何かを隠したかったのだろう。
彼は森川萤子の手を掴み、彼女の指を開き、彼の胸に触れるよう導いた。
片桐陽向の体温はとても高く、指先から伝わる温度は人を熱くさせた。
森川萤子の指先が震えた。「あなた……」
指の腹が突然、他の肌とは違う感触に触れ、森川萤子は好奇心からそれを撫でてみた。
確かに感触が違う。この場所は傷が治った後に残った傷跡のようで、片桐陽向が言っていた銃弾の痕だった。
親指ほどの大きさで、しかも心臓の真上にあった。もう一寸ずれていたら、この一発で彼の命は奪われていただろう。
森川萤子の頭の中で轟音が鳴り響いた。彼女は起き上がり、ベッドサイドのランプをつけた。
暖かい黄色い光が降り注ぐ中、森川萤子は目を見開き、恥ずかしさも忘れて片桐陽向の胸を見つめた。
そこには確かに指ほどの大きさの弾痕があり、彼の白い肌に恐ろしげに刻まれていた。
森川萤子の指先が微かに震え、その弾痕に軽く触れると、耳元で片桐陽向の抑えた呻き声が聞こえた。
彼に手を掴まれ、片桐陽向は体を翻して森川萤子を押し倒した。
彼の目は炎に満ちていた。「わざと誘ってるのか?」
森川萤子の顔が一気に赤くなった。彼女は視線を定めることができず、「そんなことないわ、あなたが見てって言ったんでしょ?」
片桐陽向は上半身を森川萤子の上に浮かせ、目を伏せた。「森川萤子、傷が少し痛いんだ。吹いてくれないか。」
森川萤子は驚いた小うさぎのように、一瞬で目を丸くした。「わ、私……」
片桐陽向の肌はとても白く、弾痕だけがピンク色を帯びていた。森川萤子は手を伸ばし、軽く撫でた。
その瞬間、彼女は恥ずかしさを感じなくなり、言葉では表現できない複雑な感情が心に湧き上がった。
「夢を見たの。」森川萤子はゆっくりと口を開いた。
片桐陽向は目を伏せて彼女を見つめ、彼女の目に心配の色を見た。「どんな夢?」
「夢の中で私、銃を撃って、人を殺したの。」