第65章 心の中で彼を畜生と罵う バレンタインデーおめでとう

西村絵里は香坂悠生の特集インタビューを見た後、すぐにスマホの画面をロックしようと思ったが、手が滑ってしまい、クリックして中に入ってしまった。

仙台市の有名な経済番組が行ったインタビューで、香坂悠生が父の後を継いで香坂家を引き継ぐ……

海外留学の経歴に加え、留学中にも小さな成果を上げ、今回の帰国では、メディアの喧伝が欠かせない。

西村絵里は男性の儒雅な写真を見つめた。スーツに身を包み、子供の頃とは全く別人のようで、胸が少し詰まる思いがした。

実は、香坂悠生の夢は自分と同じく、デザインを学ぶことだった。

商売をすることではなかった……

考えすぎだと気づいた西村絵里は、髪をぐしゃぐしゃと掻き混ぜた。うーん、自分はむしろ、国豪がなくなって、自分のボーナスはどうなるのかを心配すべきだろう?