藤原家のリビングにて:
藤原海翔は西村绘里の後ろに入ってきて、自ら丹念に選んだブラックフォレストケーキとブルーベリージュースを差し出した。
西村绘里は目の前の精巧なケーキに視線を落とし、唇を少し噛んだ。確かに今の自分の好みだった……
「ありがとう」
「バカだな、俺に遠慮することないだろ。お前がこの味が好きだって知ってるんだ……食べてみろよ」
「うん」
香坂悠生は藤原海翔のこのような細やかな気配りを見て、表情を変えた。黒田真一は黒い瞳を細め、言い表せない暗流が渦巻いていた。
藤原海翔は眉を上げた。相手の一人はカーキ色、もう一人は黒色、自分だけが白色で、明らかに西村绘里とのペアルックだった。
藤原海翔は嬉しくなり、満足感に浸った。
「香坂様、黒田さん、绘里ちゃんは今日は僕のパートナーだから、お二人に面倒をかけることはありません。僕がいれば十分です」