第113章 義理の妹か義理の姉か2更完(2)

言い終わると、黒田真一は直接トイレの方向へ歩いていった。

……

西村絵里は目の前のブラックフォレストケーキを小さく口に運んでいたが、全く食欲がなく、ただ機械的に飲み込むだけだった。

バッグの中の携帯が鳴り、西村絵里は慌ててバッグから携帯を取り出した。黒田真一からのメッセージだった。

黒田奥さん、トイレの方向で待っているよ。

西村絵里:「……」

「黒田奥さん」という一言で、西村絵里の顔色が青ざめた。藤原海翔の視線が自分に向けられているのを感じ、西村絵里は慌てて携帯の画面をロックし、小声で言った。

「藤原三郎、ちょっとトイレに行ってくるわ」

「一緒に行こうか……」

「大丈夫よ、小さい頃からよくここに来てたから慣れてるの、一人で行けるわ」

「わかった」

……

西村絵里は深呼吸をして、トイレの方向へ歩き出した。小さな手を組み合わせながら。