第128章 初めてじゃない2更見てください(2)

「なぜ彼に言わなかったの?あなたが山口琴子の100万を受け取っていなかったことを」

西村絵里「……」

男性の黒い瞳は非常に鋭く、彼女を熱く見つめていた。

実は、黒田真一はずっと知っていたのだ。それなのに彼は王者のように、自分が彼の腕の中で囚われた獣のようになっているのを見ていた。

西村絵里は男性の腕から抜け出そうとしたが、黒田真一は左手を使って彼女の手を背中で押さえつけた。

二人の体は密着し、擦れ合い、挑発的だった。

「ん?」

男性の挑発的な言葉を聞きながら、西村絵里は美しい瞳を少し閉じた。どうやら今日は答えを出さなければ、黒田真一は許してくれないようだ。

「必要ないわ。私たちが別れたのは純粋に感情の問題で、他人は関係ない。それに、私たちはもう別れたんだから、私が山口琴子の100万を受け取ったかどうかは重要じゃなくなったわ」

ここまで言って、西村絵里は澄んだ瞳で、少しも逃げる様子はなかった。

確かに……

もちろん別れは決定的になり、自分と香坂悠生も傍観者ではいられなくなった。

結局、二人の問題は外的要因だけではなく、例えば山口琴子の介入のようなものだけではない。

最も重要なのは、香坂悠生が彼女を信頼していなかったことだ。

西村絵里は少し瞳を閉じ、静かに言った。「黒田真一、満足した?」

黒田真一は女性の冷静な様子を見つめた。西村絵里は香坂悠生より2歳年下だが、物事の処理の仕方は香坂悠生よりも成熟していて、天や人を恨むことはなかった。

黒田真一は女性の小さな体がまだ少し震えているのを見て、長い指で彼女の頬を撫でた。

「満足していない。なぜなら……あなたは本当のことを言っていない。あなたが香坂悠生に当時のことを話さなかった最大の理由は、彼と彼の母親が敵を作ることを望まなかったからだ」

西村絵里「……」

西村絵里は信じられないという表情で目を大きく開き、自分の上にいる男性を見上げた。

彼はすべてを知っていたのだ。

無意識に顔を上げたため、西村絵里の唇が男性の顎に触れた。

黒田真一の瞳はさらに深くなった。

西村絵里は男性の薄い唇が自分の頬を滑り、そして耳たぶに落ちるのを感じた。

「結局のところ、あなたはまだ香坂悠生のことを気にかけているんだね?」

西村絵里「……」