第132章 夫婦の情趣求首訂(4)

西村絵里は黒田真一の腕から抜け出そうとしたが、黒田真一の腕は鉄のように強く、彼女を縛り付け、まったく動くことができなかった。

西村絵里は男に抱かれたまま地下の部屋へと連れて行かれるしかなかった。

手術室……

地上階は普通の豪邸だったが、地下は完全に大きな病院のようだった。様々な種類の部屋が揃っており、手術室まであった。西村絵里は医学に触れたことはなかったが、地下の機器が非常に高価であることは判断できた。

霧島圭、闇市。

闇市での取引を思うと、西村絵里は不安で震えた。黒田真一がそのようなものに関わっていると知り、彼女はさらに不安に襲われた。

……

王女のように抱かれたまま、西村絵里は黒田真一に手術室へと運ばれ、白いベッドの上に押し付けられた。

西村絵里の顔は血の気が引いて真っ白になり、黒田真一の冷たい表情を見て、激しく震えていた。