第131章 夫婦の情趣を求めて(3)

「あっ……」

西村绘里が車から降りたばかりで、まだ遠くへ行く間もなく、黒田真一に素早く腕を掴まれ、直接ヴィラの玄関へと向かわされた。

外壁は黒色だったが、ヴィラ全体の照明は昼間のように明るかった。

このような白と黒の極致を成す人物、このヴィラの主人は一体誰なのだろうか？

「検査が終わったら、帰っていいよ」

検査？黒田真一の確信に満ちた言葉を聞いて、西村绘里はその場で完全に固まってしまった。黒田真一は自分を検査するつもりなのだろうか？

あぁ……

西村绘里の顔色が酷く青ざめ、そのまま黒田真一に抱きかかえられ、ヴィラの中へと直行した。

ヴィラの中：

「霧島、手術室を少し借りたい」

西村绘里：「……」

霧島圭？西村绘里の表情が微かに変わった。霧島圭という人物を知らないわけではなかったが、名前を聞いたことがあるだけで、実際に会ったことはなかった。

霧島圭は黒田真一と同様に、名声は広く知られているが、その素顔を見た人はほとんどいない人物だった。黒田真一が表の世界で名古屋市の経済界を牛耳っているとすれば、霧島圭は地下の商業ネットワークを支配している。

噂によれば、この男は殺しを好み……地下経済、ブラックストーン、麻薬、カジノなどを操っているという。黒田真一が外では白の極致の男なら、霧島圭は間違いなく墨に染まり、黒の極致の男だった。

黒田真一がなぜ霧島圭と関係を持っているのだろう？西村绘里が複雑な思いに浸っていると、ソファにいた男が立ち上がるのが見えた。その美しい容貌に、西村绘里は息を呑んだ。

これは明らかに女性よりも美しい男だった。眉目の間に比類なき風格があり、妖艶さは極まっていた。高く逞しい体つき、とても凛々しく、体にぴったりと合った白いシャツは、特に胸元のボタンが数個開かれ、鍛え上げられた胸板が一目で分かった。

男の身に纏う妖艶な気配は明らかで、鷹のような鋭い目が西村绘里に向けられ、何かを考えているようだった。

そして男が先ほど覆いかぶさっていた方向を見ると、西村绘里はかすかに細い体の少女が見えた。学生服を着ており、少女は全身を激しく震わせ、明らかに大きな恐怖を受けたようだった。

さらに、低く泣いていた。

西村绘里：「……」