第123章 西村絵里は義姉さん1更(2)

黒田奥さんが黒田さんの別荘に出入りし、夫婦関係が確実なものとなった。

特に深夜、男女二人きりでは、何も起こらないというのは、確かに非現実的だ。

西村绘里はもともと説明する言葉を用意していたが、結局二人は夫婦であり、説明の言葉など口にする余地はなかった。

香坂悠生と藤原海翔は顔色が悪く、黒い瞳に暗さを隠せなかった。

自分が最も愛する女性が既婚者で、しかもその夫は仙台市の舵取りであり、その実力は驚異的だ。これは誰の心にも苦い思いを残すだろう。

香坂悠生にとっては、相手は自分の兄でもある。

つまり、西村绘里は自分にとって今後は……

義姉になるということだ。

これは間違いなく青天の霹靂だった。

そう考えると、香坂悠生は周囲の人々に気を遣いながらも、自ら口を開いた。「黒田…さん、あなたと二人で話がしたい。」

「いいだろう。」

黒田真一は目を細め、避けようとはしなかった。

結局、香坂悠生と藤原海翔の前で関係を明らかにしたのは、自分の所有権を宣言するためだった。

かつて、西村绘里は山口琴子の100万円を受け取らなかったのに、香坂悠生は信じず、誤った判断をした。

だから、西村绘里を失った原因は全て外部にあるわけではなく、香坂悠生自身の問題も多くあった。

当時、自分も西村绘里と香坂悠生の過去の関係を知らなかったので、謝罪の必要性はない。

……

西村绘里は兄弟二人が何を話すのか知っていたが、気にしないようにした。しかし、黒田真一と香坂悠生の視線が自分に向けられているのを明らかに感じることができた。

二人の長身が離れていっても、彼らの視線が自分に残っているのを感じることができ、どちらも所有欲に満ちていた。

今日はあまりにも多くのことが起こり、西村绘里は混乱し、顔色も非常に青白くなっていた。

「绘里ちゃん、顔色が悪いよ。休憩所で少し休んだらどう?」

藤原海翔は心が空っぽになったような気分で、まだ衝撃的な秘密から立ち直れていなかったが、西村绘里の顔色が悪いのを見て心配そうに尋ねた。

「藤原三郎、私はまだ用事があるから先に帰るわ。ごめんなさい、前にあなたに隠し事をしていたことを。」

言い終えると、西村绘里は申し訳なさそうに頭を下げ、藤原海翔の傷ついた表情を見たくなかった。