世界中のすべてを彼女にあげたいと思うほどだった。
「パパ、超かっこいい……へへへ」
黒田真一は自分が気を取られていたことに気づき、少し反応した後、我に返った。口角を少し上げて「ああ」と答えた。
「皆さんの甘奈への愛情に感謝します。おやつを用意しましたので、午後の休憩時間に届けさせます。これからも我が家の甘奈をよろしくお願いします」
「ありがとうございます、おじさん」
子供たちが口を揃えて言うと、黒田真一は軽く口角を上げただけで、笑って黙っていた。
「ありがとう、甘奈」
「どういたしまして。私のことが好きなら、絶対に私たちのボーイを応援してね……」
「もちろん」
黒田真一:「……」
最初は何とも思わなかった。
しかし今、甘奈が口を開けば閉じればボーイのことばかり話すのを見て、黒田真一は少し妬けていると感じた。