第252章 黒田さんが绘里ちゃんを調教する1更(4)

少し間を置いて、西村絵里は付け加えた。「氷川様の以前の土地と、今回新たに取得した土地を合わせると、約8棟の新しいビルになります。いかがでしょうか」

そう言いながら、西村絵里は甘い笑顔を浮かべ、とても魅力的だった。

美しい瞳は潤いを帯び、水のように輝いていた。

氷川様はそれを聞いて、心の中に奇妙な感覚が走った。

これは……

8棟のビル、西村絵里はまさに法外な要求をしているな。

黒田グループのデザイン案は確かに仙台市で最も美しいが、価格も最も高額だ。

黒田グループに依頼すれば、この8棟のビルに余計に1億円も支払うことになる。

氷川様は考え込んだ様子だった。

この1億円を使って、黒田真一の100億円に賭けるべきだろうか。

……

西村絵里は息を詰めた。黒田真一に抱きしめられていたが、視線は常に目の前の氷川様に向けられていた。

先ほどの言葉は、自分は卑屈でも傲慢でもなく……

まず自分が勝ったのは幸運だと言い、次に有名なデザイナーではないが、名の知れたデザイン作品があると述べた。

だから……

デザイン案を黒田グループに依頼しても、氷川様は損をしないということだ。

しかし、いくら待っても氷川様からの反応がなく、西村絵里は美しい瞳を細め、わざと不満そうに赤い唇を尖らせ、黒田真一に甘えるように言った。

「黒田社長、見てください……私は女の子で、これまでゴルフなんて全くやったことがないんです……これは明らかに儲かるビジネスなのに……この氷川様は負けるのが怖くて、私と勝負しようとしません……黒田社長、氷川様はあまりにも面子を立ててくれないのではないでしょうか」

西村絵里はわざと「面子を立てない」という言葉を大きな声で言った。

自分はあくまで黒田真一のデザイナーだ……

もし氷川様が自分の提案を受け入れなければ、それは黒田真一の面子を立てないことになる。

一度罪を重くすれば。

この氷川様は受け入れざるを得なくなるだろう。

案の定、西村絵里がそう言うと、他の社長たちもひそひそと話し始め、西村絵里の言い分にもっともだと思った。