西村絵里は満足げに口角を上げた。
自分は成功した。
黒田真一は薄い唇を引き締め、視線をゴルフボールが穴に入るのに固定し、満足げに口角を上げた。
西村絵里のゴルフの腕前は……
とても良い。
西村絵里は物事を学ぶのも早く、自分が多くを語る必要はない。
簡単なことを簡潔明瞭に説明するだけで十分だ。
「黒田社長、入りました」
西村絵里は最初の数回は意図的に手加減して、氷川様の警戒心を緩めさせ、後でボールを打つときは、心の中ではまだ少し不安だった。
ゴルフボールが穴に入るのを見て、心の中で興奮を抑えられなかった。
黒田真一は西村絵里のそのような喜びに満ちた様子を見て、薄い唇を少し上げた。
「うん、見たよ」
「西村絵里、ご褒美が欲しいのかい?」
「え?」
西村絵里は美しい瞳を見開き、黒田真一が大きな手を伸ばして自分の後頭部を掴み、そして自分を黒田真一の腕の中に引き寄せるのを見た。