西村絵里は小さなロリータの様子を見て、思わず口角が上がった。
うん……今日は願いが叶って、本当にボーイを見ることができた。
……
藤原海翔は人の海の中で30分も押し合いへし合いして、ようやく3本の水を買って戻ってきた。
額には汗がびっしりと……
クソッ!
足の革靴は踏みつけられてボロボロになっていた。
服も引っ張られてひどい状態に……
帰ったら絶対にしっかり洗わなければ。
しかし、母娘の前では、藤原海翔はまだ平然とした態度を装っていたが、少し狼狽えた様子だった。
「はい……どうぞ、飲んで。」
「藤原三郎、あなたが先に飲みなさいよ。」
「大丈夫だよ……喉乾いてないから、うちの甘奈ちゃんが先に飲んで。」
「だめです、藤原おじさんが一番大変だったから、藤原おじさんが先に飲むべきです。」