西村絵里と藤原海翔は笑うに笑えなかった……
西村絵里は視線を少し離れた独立した休憩室に向け、唇を噛みながら好奇心を持って尋ねた:「海翔、あそこもコンサートを見る場所なの?」
「そうだよ……すでに誰かに予約されてる……コンサートを見るための特別な場所……僕もこのVIP席しか取れなかったんだ。」
このボーイの人気は高すぎる……仕方ないね。
チケットは無料だったが、このVIP席の位置、混雑しない場所を確保するために、藤原海翔はお金を払って購入したのだ。
西村絵里は唇を噛んだ……
見たところ、あそこはきっと熱心なファンのためのものだろう。
「うーん……中はまだ明かりがついていないね、まだ人が来ていないんじゃない?」
西村絵里の好奇心旺盛な様子を見て、藤原海翔は大きな手を伸ばして彼女の髪を優しく撫で、愛情を込めて言った:「僕たちは自分のコンサートを楽しもう。終わったら、人が散らばるのを待ってから出よう。甘奈ちゃんが押されないようにね。」