第367章 虎父に犬女なし1更(1)

西村絵里は黒田真一が来たと聞いて、美しい瞳が一瞬凍りついた……その後、心がかすかに動いた。

どういうわけか、黒田真一が来たというニュースを聞いて……

彼女は不思議と安心感を覚えた。

西村絵里は軽く唇を噛んだ。すると藤原お爺様がいらだたしげに言った。「何をぼんやりしているんだ、早く招き入れなさい……」

「はい……」

門番は怠ることを恐れ、急いで門口へ向かった。

西村絵里は小さな手を握りしめた。すると甘奈が興奮した様子で口を開いた。「ママ……パパなの?パパが来たの?」

「うん」

甘奈の興奮した様子を見て、西村絵里は小さな手で額をなでると、うなずいた。

黒田真一が来た……

でも、黒田真一がなぜ突然藤原家を訪れたのだろう?

もしかして……彼女たち母娘のためにわざわざ?

そう考えると、西村絵里の頬がかすかに赤くなった……