第387章 黒田真一は私の夫1更(5)

西村絵里は美しい眉を寄せ、男の妖艶な姿を見て、心の中で嫌悪感を抱いた。

甘奈はピアニストの優雅な演奏を非常に気に入っていた……普段よりもずっと静かで、真剣に鑑賞していた。

西村絵里は小さな少女のとても礼儀正しい様子を見て、口元に微笑みを浮かべた。

黒田真一は時々小さな少女に食べ物を食べさせていた……

なぜか、小さな少女が食べる姿を見ていると、心の中に言い表せない満足感があった。

とても心地よかった。

……

三人家族は静かに食事をし、夕食を終えると、すでに夜の8時だった。

西村絵里はいつものように小さな手を伸ばして甘奈を抱き上げようとしたが、黒田真一がより素早く動いて、ベビーシートから甘奈を抱き上げ、出口へと向かうのを見た。

「行こうか」

「うん」

黒田真一の多くの何気ない仕草に、西村絵里は多かれ少なかれ、心の波紋が揺さぶられるのを感じていた。