「ママ、パパのところって本当に良いね、何もかも良いの」
「え?」
「もちろん、一番大事なのはパパ……」
西村绘里:「……」
胸が痛む。
いったい誰が、十月十日お腹を痛めて、彼女を産んだというのか。
西村绘里の美しい瞳に光が走った。今や小さな娘は黒田真一にすっかり買収されてしまった。自己が切り札を出さなければ……もうダメかもしれない。
そう思うと、西村绘里は手のひらにベビーシャンプーを注ぎながら口を開いた。
「甘奈ちゃん……ママとひとつ相談があるんだけど、どう?」
「いいよ……」
西村绘里は小さな手で甘奈の頭を洗いながら、咳払いをして言った。
「実はね……ママは甘奈ちゃんとママが同じ陣営に立ってほしいの。パパは外の人でしょう……そうでしょ?私たち二人は3年の絆があるのに、黒田真一と甘奈ちゃんが知り合ったのはつい最近じゃない」
「うーん、時間は関係ないよ、相性が良ければいいの」
西村绘里:「……」
小さな娘はもう十分だ。
西村绘里は目を暗くし、シャワーヘッドを取って娘の髪をきれいに洗い流しながら続けた。
「うーん……もう一度相談してもいい?例えばね……ママも甘奈クラブに入れてもらえないかな。うちの甘奈がリーダーで、ママはそれで安心感があるの。だから何でも、クラブに入りたいなって」
果たして、西村绘里がクラブ加入の話をすると、小さな娘はすぐに目を輝かせ、興奮して尋ねた。
「本当?本当なの?ママ、本当に言ってるの?」
西村绘里は満足げに唇を曲げた。自分が育てた娘だから、自分が一番よく分かっている。
西村绘里は目を細め、とても真剣に頷いた。
「もちろん。でもママには条件があるの。ママの言うことを聞いて、ママと同じ陣営に立つこと。そして、今夜はママと一緒に寝ること……」
「やったー……でもママ、パパから離れたくないの。パパと一緒に住むって約束しちゃったし、家に帰らないでいい?」
西村绘里:「……」
娘の誠実な目を見て、西村绘里は唇を噛んだ後、頷いた。
「いいよ。甘奈ちゃんが毎晩ママと一緒に寝てくれるなら、ママは甘奈ちゃんとパパの家に住んでもいいわ……でも、他のことは、ママの言うことを聞くのよ、いい?」
「もちろん……わぁ、すごい、私たちのクラブはもう5人もいるんだ、素晴らしい……」
西村绘里:「……」