そう言うと、甘奈はくるりと黒田真一の腕から這い出し、西村絵里の左側に走り、西村絵里を右側に押しやって、ちょうど黒田真一の腕の中に収まった。
西村絵里は男の濃厚な気配が岩のように重く自分に迫ってくるのをほとんど感じることができた。
西村絵里は小さな手を握りしめ、どう反応すればいいのか分からなかった。
甘奈はすでに自分勝手に西村絵里の左側で眠り、西村絵里の胸元に潜り込んでいた。
「よーし、もう私はママの腕の中にいるよ、パパ、早くママを抱きしめて」
「わかった」
黒田真一は大きな手を伸ばし、西村絵里を抱き寄せた。西村絵里はさらに身震いした。
男が非常に傲慢で、所有権を主張しているのを感じることができた。
西村絵里は深呼吸をし、甘奈の満足げな様子を見て、静かに言った。「さあ、甘奈、寝ましょう」
「いやだよ...パパとママが一緒に抱きしめてくれるの、すごく気持ちいいんだもん」
西村絵里:「...」
小さなロリータはもう十分だった。
黒田真一は腕の中の女性の柔らかな顔立ちを見つめ、まるで狩人のように、西村絵里のすべての震えや動揺を見逃さなかった。
うん、このような女性の姿は、男性の生来の征服欲と狩猟欲をさらに刺激する。
思わず前に進み、西村絵里をさらに狼のように襲い、かけらも残さないようにしたくなる。
昨日...
この同じベッドで、自分はもう少しで彼女を手に入れるところだった。
黒田真一の口元の笑みが深まり、女性の首筋の香りを嗅ぎながら、喉仏が動いた。
知らないうちに、黒田真一の大きな体が西村絵里にぴったりと寄り添うにつれ、男のムスクの香りは非常に魅惑的で、とても魅力的だった。
西村絵里はすぐに呼吸が困難になるのを感じた。
「ママ...パパは副団長だから、先に来た人が優先で、今はパパの部下だよ」
甘奈は何かを思いついたようで、独り言のように言った。
西村絵里:「...」
本当に余計なことを言うものだ。
小さなロリータはもう十分だった。
西村絵里は小さなロリータの言葉で顔を赤らめ、黒田真一の磁性のある笑い声が耳元に響いた。
「部下?」
黒田グループでは、西村絵里は黒田グループの社員だ。
団の中でも...自分の下にいる。
本当に少し面白い。
西村絵里は男の薄い唇から「部下」という言葉が漏れたことで、唇を噛んだ。