そう言うと、甘奈はくるりと黒田真一の腕から這い出し、西村絵里の左側に走り、西村絵里を右側に押しやって、ちょうど黒田真一の腕の中に収まった。
西村絵里は男の濃厚な気配が岩のように重く自分に迫ってくるのをほとんど感じることができた。
西村絵里は小さな手を握りしめ、どう反応すればいいのか分からなかった。
甘奈はすでに自分勝手に西村絵里の左側で眠り、西村絵里の胸元に潜り込んでいた。
「よーし、もう私はママの腕の中にいるよ、パパ、早くママを抱きしめて」
「わかった」
黒田真一は大きな手を伸ばし、西村絵里を抱き寄せた。西村絵里はさらに身震いした。
男が非常に傲慢で、所有権を主張しているのを感じることができた。
西村絵里は深呼吸をし、甘奈の満足げな様子を見て、静かに言った。「さあ、甘奈、寝ましょう」