第444章 名実相伴の夫婦1更求訂(1)

西村絵里はついに目の当たりにした……

三十歳の男性が……

一体どれほど狂おしいものなのかを。

まるで……狼に変身したかのよう。

あなたを食べ尽くして何も残さない。

西村絵里は大きく息を吸い、喘いだ。

視線を頭上の星空に向けると、とても美しかった。

黒田真一は狂おしくも、同時に優しかった。

事後、黒田真一は大きな手を伸ばし、西村絵里をそのまま抱き寄せた。

西村絵里は黒田真一の胸に寄り添った。

唇を噛み締め、瞳の奥に暗い光が広がっていった。

他人同然で、名ばかりの関係だと言っていたのに。

それなのに……

今や、自分は名実ともに黒田奥さんになっていた。

西村絵里は唇を噛み締め、先ほど失った理性が少しずつ戻ってきた……

でもまだ足りない……

ほろ苦さが、心の中でそっと広がっていった。