しかし……黒田真一は初めてだとより痛いという理由で、依然として男性が上、女性が下の体勢を取った。
そして……
西村絵里は頭が混乱した。
つまり……
要するに。
二人は寝たのだ。
夫婦の間で最も親密な行為をしたのだ。
名ばかりで実がなく、他人同然だと言っていたのに。
これは一体どういうことなのか。
西村絵里は内心で「まずい」と思った、今は本当に……
黒田真一にどう接していいのか分からなくなった、彼らは革命的友情関係を昇華させたということなのか?
西村絵里は口元に無力な弧を描き、美しい瞳を天井に向けた……透かし彫りの装飾、透明なガラス、そして青い空が視界に入り、とても美しかった。
西村絵里は口角を少し上げた……
昨夜、月の光と星の光が二人の体に惜しみなく降り注いでいたことを覚えている、とても美しかった。
イタリア……
本当にロマンチックな国だ。
西村絵里は心の中が複雑で、布団に顔を埋めて気持ちを落ち着かせるしかなかった。
黒田真一……
あなたの勝ちね……
男が女を征服する、自分は完全に敗北してしまった。
この男がケシの花のように危険だと知っていながら、この男の心にはまだ他の柔らかい存在があると知っていながら。
自分はすっかり落ちてしまった。
絶対に次はないようにしなければ。
西村絵里は自分に再び警告した……
……
西村絵里が布団の中で悶々としていた時、黒田真一はどこに行ったのかと考えていた……
情熱の後は、人が去り茶が冷めるというやつ?
西村絵里は口角に皮肉な笑みを浮かべた、黒田真一に対しては、そんなに大きな期待を持つべきではないのだ。
次の瞬間……澄んだ銀の鈴の音が耳元で響いた。
「ママ!」
西村絵里は美しい瞳を見開いた……
布団をめくり、声の方を見ると、黒田真一が甘奈を抱いて自分の方へゆっくりと歩いてきていた。
男性は灰色の部屋着に着替えており、とても優雅で、ハンサムな雰囲気を漂わせていた。
甘奈は……ピンク色の小さなドレスを着ていて、とても可愛らしく、小さな三つ編みをした姿は、さらに愛らしかった。
西村絵里は混乱した。
これは夢なのだろうか?
本当に甘奈なのか?
ほぼ3日間離れていて、本当に会いたくてたまらなかった。
どの子も、母親にとっては心の肉だ。